着物や帯にガード加工は必要なのか、こういう撥水加工の効果とデメリットの他、リスクを抑える失敗対策についても紹介してみました。
貴重な着物ほど、その効果に対する期待なども大きかったりします。
しかし、実際のところガード加工は本当にしなきゃいけないほどのものでしょうか?
また、その反対に大事な着物だからこそ、余計なことして台無しになるとかそんな可能性も心配だったりしますよね。
そんな場合は、しないほうが良いのではと後回しにすることもあるでしょう。
最後までお読みいただければ、加工の最も効果的なタイミングやいったいガード加工というのはどんなものなのかとか、小さいリスクで気軽に試せる意外と便利な方法なども参考になるかもしれません。
目次
着物にガード加工は必要?
着物にガード加工が必要かといえば、何もしないよりはした方が良いくらいのもので、基本的には自分で判断するしかありません。
しかし、大切な着物や高価な着物ほど、慎重に取り扱う必要があるのでやはり迷ってしまいやすいですよね。
個人的には、そのような迷いはとっても良いことだと思います。
着物を守るためのガード加工というのは、メリットだけでなくデメリットもあるからです。
やって良かったと言える加工を、上手にしてもらえた場合にはメリットしか感じないと思います。
しかし、これならやってもらわなかった方がまだマシだったのかな・・・とか、満足しない仕上がりというのも稀にあるんですよね。
たまに言われる風合いが変わるとか、ガード加工ではそのような情報もネットなんかでは見かけます。
その辺も含めて、次で紹介するガード加工の効果とか、後述するやらなきゃ良かったという失敗的な話なども参考になるかもしれません。
ガード加工の効果について
着物のガード加工は、着物の生地に撥水加工を施すことを言います。
パールトーンとかスコッチガード等、これらはほとんどの場合撥油にも効果があったりします。
業者によっても、同じような名称でもそれぞれ仕上がりには違いもあるんですけどね。
ただ、総じて言えることは撥水加工は撥水加工であって、それ以上でもそれ以下でもないんですよね。
似たような言葉で、防水と勘違いされやすいのですが、撥水加工は繊維自体に加工されるので通気性などはそのまま保持されています。
通気性があるということは、着物にかかる水分量が多ければ着物を通して中に水が浸透することも普通にあるということですね。
その反対に防水というのは、雨合羽みたいに通気性もなく暑苦しいんです。
外からの水分や汚れだけは、全部弾くというそんなイメージかなあって思います。
ですが、ガード加工はその手前みたいな感じで、完全防水というわけでなく着物の質感をできるだけ保ったまま水分の吸収を防ぐという感じですね。
着物はこのような加工をしない場合、湿気を吸収しやすい生地を使っています。
ガード加工は汗も通しにくくシミもできにくいため、カビの発生にもある程度予防になります。
目立った汚れを防止するとか、そういう意味での利点が大きいと言えますね。
しかし、このような効果の持続というのは、永遠というわけではありません。
帯など巻いたときの摩擦とか、座ったりしたときのしわなどでも効果は薄れていきます。
それから、先ほども言った通り繊維に加工するということはシミなどがあり汚れた着物の場合は、その上から加工してしまえばこの汚れをどうにかしたいと言っても、加工の上から汚れを落とすとかはかなり難しいことというのも、ここまでお読みいただければ想像できると思います。
つまり、効果とデメリットは切り離せないということですね。
それでも、個人的にはガード加工はおすすめだったりもしますが、必要かどうかという話に戻れば、もう少し慎重に考えたほうが良いかもしれません。
誰もが失敗には敏感ですし嫌でしょうからね。
次は、その辺のリスクを軽減する方法とかもう少し説明していきたいと思います。
撥水加工のデメリットやリスクを抑える失敗対策について
着物に加工を施すといっても、その種類も数多くありその業者さんによっては仕上がりも様々なので、時には失敗することもあります。
まあ、失敗といっても見た目明らかな失敗もあれば、期待が大きすぎた場合による「思ってたのと違う」といった誤解的なものとかもありますね。
例えば、クリーニングと加工を一緒にお願いしたときなんかは、洗いで縮んだまま加工されたとかそんなこともあります。
普通は、業者さんもその辺を説明したりすると思いますが、着物に限らずお洋服などでも洗えばほとんどのものは縮むことは結構多かったりします。
こういう仕上がりや、アフターフォローについては業者さんによりますが、いくら慎重に口コミを調べても実際に評判通りの仕上がりかどうかはやってみないとわからないかもしれません。
やっぱり高価な着物ほど、リスクは怖いですもんね。
失敗しにくい方法としては、できるだけ反物の段階とか袖を通す前にガード加工をかけると一番良いのですが、加工しちゃうと染め直しとかかなり難しいので、着物によりけりで後々のことはよく考えたほうが良いでしょう。
まあ、大島とか洗える着物とかは、一般的にはあまりしない人のほうが多かったりもしますね。
それから、信用できる業者さんかどうかがわからない場合は、どうでも良い古い帯やダメになってもショックを受けないそんな着物などで試すのも悪くはないと思います。
個人的にはその方法が、様子を見る上では一番リスクとか低い気がしますね。
老舗の業者であれば、ガード加工のお値段などそこそこ高いですが、アフターサービスで長期間の染み抜き保証サービスとかけっこうありがたかったりもしますね。
トータルで見れば、そういうのはかなりお得だったりもします。
そこまでするような着物専門のクリーニング屋さんとかなら、あまり変な失敗とかもそこまで心配はいらないかなあと感じますね。
自信ある場合は、そういうサービスを売りにしていないとこもザラなので、価値がわかる人にしか伝わらないことも多いですね。
それから、上で軽く紹介したような風合いが変わるとかいうのは、防水と撥水の勘違いから発生しやすかったりもします。
ですが、加工の種類によってはたまに風合いが〜とかプロの方に言われることも確かにあるんですよね。
フッ素系と石油系の加工で、その質感や風合いといったものに違いが出ると言われます。
フッ素加工なら、プロでもあまり違いがわからないようなので、こういうのも重視しながら選ぶというのもアリかと思います。
値段は高ければ数万円とかすることもありますが、染み抜きの費用に比べれば保険的な意味合いで満足できるのではないかと思います。
ですが、試すといってもこれではやはり高すぎると感じるのは私だけじゃないかもしれませんね。
それでも、ちょっとどんなものか試してみたいと思うなら他にも方法はあります。
こちらなら4000円台ですし、リピートされている方も多くいるので、あまり思い入れのない帯とかそんなものなんかで試すというのも、初心者の入り口としてはけっこう良いかもしれませんね。
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着物にガード加工は必要?その効果と撥水加工のデメリットについてのまとめ
着物のガード加工については、その撥水・撥油の効果だけ見れば汚れの予防とかに効果的でメリットも大きく感じます。
ですが、洗える着物であればやはり自分で洗いたいものですし、そんなものに撥水加工とかちょっと必要ないかなと自分の場合は感じますね。
それに、染め直しとか必要かなとかそのように思ってる着物なら、ガード加工のせいでそれができないとかもあります。
失敗を防ぐには、着物の将来を慎重に考えることが一番です。
何も知らない状況よりもまずどういったものであるのかとか、先ほど紹介したような業者さんでそういう経験も格安でできるなら満足した場合はそれでいいし、そうでない場合もリスク的な面で安すぎる勉強代ともいえるので、これを基準にするというのも悪くないかもしれませんね。